星 周作 Blog

★ 福岡より〇〇をこめて  ★

イスラエル人、ユダヤ人、ヘブル人(その⑦)

 

(その⑥)の続き。

 

前回はソロモンの息子レハブアム王の治世にイスラエル王国が南北に分裂したことを聖書で確認しました。

分裂後の南北の王国のたどった経緯は割愛して、本日は北のイスラエル王国のアッシリヤ捕囚と南のユダ王国のバビロン捕囚を取り上げる予定でしたが、本日はアッシリヤ捕囚だけにして、次回バビロン捕囚を取り上げます。

アッシリヤ捕囚の経緯を聖書記事を基に詳細に書こうとするとかなりの量になり、聖書の学びの初学者を念頭に置いて書いている当ブログでは、ポイントを出来るだけ簡潔に書きたいと考えています。

 

アッシリヤ捕囚について書く前にお断りしたいことがあります。

アッシリヤという帝国名は、新共同訳聖書では「アッシリ」と書かれていて、新改訳聖書では「アッシリ」と書かれています。

そこで、当ブログでは新改訳聖書を引用していますので、「アッシリヤ」で書くように致します。

なお、アッシリヤは紀元前2000年紀にメソポタミア(現在のイラク)の北方で興った帝国です。紀元前8世紀のティグラトピレセル3世の時代に改革を行なって強大化し、最盛期にはイラン西部からエジプト本土全域にまで及ぶ版図を獲得しました。

 

北のイスラエル王国の第13代の王ヤロブアム2世(治世紀元前783年~745年頃)の時代に王国は繁栄の絶頂を迎えます。

しかし、この時代に現れた預言者アモスは富める者だけが繁栄を謳歌する社会を批判し、ひいてはイスラエルの滅亡を預言します。

アモス書6:14をご覧ください。

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イスラエルの家」とは、北イスラエル王国のことであり、「一つの民」とはアッシリヤを指します。

 

さらにアモスの次に登場した預言者ホセアは、創造主(神)に対して繰り返し背く罪を犯す(主に姦淫である偶像崇拝イスラエル王国の民に悔い改めをするように説くのですが、一向に人々は改めることがなく、創造主のさばきが下ることを預言します。

ホセア書5:1をご覧ください。

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「王の家」は政治的指導者を指しています。

 

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北のイスラエル王国の最後の王となったのは、第19代のホセア(名は同じですが預言者ホセアとは違う)でした。

彼はアッシリヤの援助を得て王となったものの、両国の間には次第に摩擦が生まれていきました。

エジプトの援助に加え、アッシリヤの王位がシャルマヌエセル5世からサルゴン2世に移ったのを機にホセアはアッシリヤへの貢物を中止します。

これがアッシリヤの怒りを買うことになります。

イスラエル王国の首都サマリヤは包囲され、3年後の紀元前722年ついにイスラエル王国はアッシリヤに降伏し、この時イスラエルの北の10部族の民がアッシリヤの領土に強制移住させられます。

この強制移住が所謂アッシリヤ捕囚と呼ばれるものです。

 

上記の内容を聖書で確認したいと思います。

列王記第二17:1~6

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アッシリヤ帝国はイスラエル人をゴザン川(ユーフラテス川に注ぎ込む川)のほとりハラフとハボルに、またメディヤの町々(ニネベの北方)に住まわせたのですが、この捕囚(強制移住)のことは聖書に記されているだけでなく、アッシリヤ王朝の記録にも残っており、サルゴン2世の年代記に「私はサマリヤを包囲して、これを征服し、その住民27290人を捕虜として連れ去った」と記されているのです。

サマリヤの住民全員を連れ去ったのではなく、イスラエル王国の指導階級の貴族や技術者や有能な人材をいなくなるようにしたのです。

これはそういう人材を残しておけば、いつ国を再建するか分かりませんから、後顧の憂いを断ったということでしょう。

なお、アッシリヤ帝国の政策は、住民を他国に強制移住させるだけでなく、別の民族をそこに住まわせるものでした。

 

このアッシリヤ捕囚が起こった理由を列王記第二17:7~41で説明されているのですが、長い箇所なので7節から12節だけ以下引用します。

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最後に参考のため、次の画像をアップします。

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これは、画像下にも書いているようにアッシリヤ帝国の王シャルマネセル(シャルマヌエセル)3世の「黒いオベリスク」(ロンドン大英博物館)です。周囲4面に彫られた5段の絵それぞれに5ヶ国からの貢物を納める場面が描かれています。上から2段目(下の拡大画像)にはイスラエル王国の王エフー(イエフ)(又は王の全権代理人?)の貢物を納める場面ですが、アッシリヤ王の前でひざまずき平伏しています。

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↓ ↓ (その⑧)はこちらをクリック

hoshishusaku.hatenablog.com

 

 

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https://bible-seisho.jimdo.com/



★私は、聖書に書かれている内容を、誰が読んでも明らかに比喩的な言葉を除き、字義通り理解した上で信じています。したがって、創造主である唯一の神の存在を確信し、イエスをキリスト(救い主)と認める者です。しかし、カトリック教会等のいずれの教会にも属していない無教会者です。あらゆる新興宗教のいずれの信者でもありません★

・天地万物の創造主だけが神

・万物・人間を創造せずして神たる資格なし

・商売繁盛の神、龍神など「〇〇神」と「神」の文字をくっつけても、万物を創造せずして神たる資格なし

・釈迦が万物を創造した方なら、釈迦を神と崇めますが、万物・人間を創造せずして拝む対象に非ず。

〈私の信条〉

盲目的ではなく根拠に基づき理性的に、キリストを信じ尽くし、聖書を信じ尽くします。

★(HN)星周作:(本名)馬場忠博(1956年生):馬場聖書研究室★

<私は聖書の神を信頼する>

私は、命の源である天地万物の創造主である神が愛をもって私たち人間を創造してくださったと確信しています。愛である神が、天災、戦争、病などの苦難の多い人生で人間の一生を死によってすべて終わらせてしまうとは、私には考えられません。聖書に書かれている通り、神、キリスト・イエスを信じる者たちが、死後復活して神の御国において祝福の中で永遠の命を生きていくことを信じています。そのようにしてくださる神を信頼して、聖書の学びを継続します。

〈イエスを信じる者は永遠の命をもつ〉ヨハネによる福音書3:16)ことを私は確信します。

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