イスラエル人、ユダヤ人、ヘブル人(その⑧)
(その⑦)の続き。
アッシリヤ帝国によって北のイスラエル王国が滅びイスラエル人がアッシリヤに強制移住させられたアッシリヤ捕囚は紀元前722年であったことを前回確認しました。
南のユダ王国の最初の王はソロモンの息子レハブアムでした。
それから数代の王が立てられましたが、それぞれの王たちの治世は割愛して、本日はユダ王国の滅亡とバビロン捕囚を取り上げます。
このユダ王国を滅亡させたバビロニア帝国は、北のイスラエル王国を滅亡させたアッシリヤ帝国を滅亡させた(紀元前609年頃)帝国でもあり、カルデヤ人のナボポラサル王により創設され、このあとを継いだネブカデネザル2世によって一躍強国へとのし上がりました。
参考のためバビロニア帝国の歴代諸王をご覧ください。
バビロニアの頭に「新」がついているのは、バビロニア帝国がアッシリヤ帝国の属国の時代があって、ナボポラサルが紀元前626年にアッシリヤ帝国からの独立を宣言してバビロニアの王位に就いたからです。
バビロン捕囚は、バビロニア帝国の王ネブカデネザル2世の治世の時に行われたのですが、一度だけ行われたわけでなく、数度にわたって行われました。
聖書では強制移住させた際の人数が書かれていない箇所もあってなのか、2度と説明する人、3度と説明する人、4度と説明する人など様々です。
まずは、次の聖書箇所をご覧ください。
列王記第二24:1
ダニエル書1:1~6
上記のように2つの書にバビロンの王ネブカデネザルがユダ王国を攻めてきたことが書かれています。
当ブログの「東方の博士たちとは何者か(最終回)」で取り上げたダニエルがバビロンへの強制移住つまり捕囚の中の一人として含まれているのですが、この後数度ある捕囚の最初の捕囚であり紀元前605年頃だと思われます。
なお、ユダ王国の王エホヤキムは新共同訳聖書ではヨヤキムと訳されています。
「東方の博士たちとは何者か(最終回)」を未読の方は、こちらもご覧ください。
エホヤキムが死に、その子のエホヤキン(新共同訳聖書ではヨヤキン)が王となります。
それから、バビロンの王ネブカデネザルがエルサレムを包囲するために軍隊を先に送っていたのですが、ついに王自らエルサレム包囲作戦の指揮を執るために上ってきました。
このあたりの経緯を聖書で確認してみましょう。
列王記第二24:6~17
14節の記事でわかるようにバビロンの王ネブカデネザルが強制移住させた人々は高官や有力者、職人などで、国家の支柱となる人々ばかりであったのです。
そして、この時の捕囚が二度目の捕囚であり紀元前597年頃のことです。
ここで、バビロンへ強制移住されたユダ族の人々はどのような扱いを受けていたのでしょうか。
バビロンの地で奴隷的な生活を強いられたのではなく、上記のダニエル書1:5に書かれているように、王に仕える重要な地位に就く者もいたり、職人として生きることも許され、バビロンという国で重要な役割を担うようにもなっていたのです。
ただ、ユダ王国の王エホヤキンは牢獄に入れられていましたが、バビロンの王ネブカデネザルの次の王エビル・メロダクの時に釈放され(紀元前560年頃)、丁寧な扱いを受けることになります(列王記第二25:27~30)。
捕囚されたユダ王国の王エホヤキンの代りに、バビロンの王ネブカデネザルによってゼデキヤが王とされ、このゼデキヤ王の時に、首都エルサレムが崩壊しソロモン王が建てた宮(第一神殿)が破壊されることになります(紀元前586年)。
このあたりのことは列王記第二25章に書かれていますが長い箇所ですので、1節から9節だけを引用します。
列王記第二25:1~9
5節の「カルデヤの軍勢」はバビロン軍と同義です。
7節で書かれている、目をつぶされてバビロンに連れていかれたゼデキヤのことはエレミヤ書52:11にも書かれており、ゼデキヤは死ぬまで牢獄に入れられていたのです。
エレミヤ書52:11
次回は捕囚後のイスラエル人が辿る経緯を取扱います。
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★私は、聖書に書かれている内容を、誰が読んでも明らかに比喩的な言葉を除き、字義通り理解した上で信じています。したがって、創造主である唯一の神の存在を確信し、イエスをキリスト(救い主)と認める者です。しかし、カトリック教会等のいずれの教会にも属していない無教会者です。あらゆる新興宗教のいずれの信者でもありません★
・天地万物の創造主だけが神
・万物・人間を創造せずして神たる資格なし
・商売繁盛の神、龍神など「〇〇神」と「神」の文字をくっつけても、万物を創造せずして神たる資格なし
・釈迦が万物を創造した方なら、釈迦を神と崇めますが、万物・人間を創造せずして拝む対象に非ず。
〈私の信条〉
盲目的ではなく根拠に基づき理性的に、キリストを信じ尽くし、聖書を信じ尽くします。
★(HN)星周作:(本名)馬場忠博(1956年生):馬場聖書研究室★
<私は聖書の神を信頼する>
私は、命の源である天地万物の創造主である神が愛をもって私たち人間を創造してくださったと確信しています。愛である神が、天災、戦争、病などの苦難の多い人生で人間の一生を死によってすべて終わらせてしまうとは、私には考えられません。聖書に書かれている通り、神、キリスト・イエスを信じる者たちが、死後復活して神の御国において祝福の中で永遠の命を生きていくことを信じています。そのようにしてくださる神を信頼して、聖書の学びを継続します。