イスラエル人、ユダヤ人、ヘブル人(その⑥)
(その⑤)の続き。
ソロモンは近隣諸国から700人の妻を娶り、300人の側室、合計1000人もの女を迎え入れたのですが、当初はあくまでも外交を目的としたものでしたが、次第に国のためでなく、自身の満足のためとなっていきました。
妻たちから「故郷の神に祈りたい」とねだられたソロモンは、エルサレムの近くに偶像神のための宮を建てることになります。
それだけでなく、自らも偶像神を拝むようになってしまったのです。
これは、偶像崇拝を許さない創造主(神)に対する大いなる裏切りでした。
怒った創造主(神)は、ソロモンの王国が将来分裂し、家来のものとなることを告げます。
これらのことを聖書で確認したいと思います。
前回アップした聖書箇所と一部重複しますが、次の箇所をご覧ください。
列王記第一11:1~13(新改訳聖書)
1節の「パロ」は新共同訳聖書では「ファラオ」と書かれていますが、王のことです。
4節に「主と全く一つにはなっていなかった」と書かれているように、ソロモンが完全に唯一の神から離れたというのではなく、他の神々をも認める混合主義に陥ったということです。
5節のアシュロテとはシドン人が礼拝していた豊穣と性の女神です。
ミルコムは偶像神モレクの別名で子供をいけにえとして捧げる(人身供養)アモン人の偶像神です。
11節の「あなたの家来に与える」と書かれている家来とは分裂後の(北)イスラエル王国の王となるヤロブアムです。
13節の「一つの部族だけをあなたの子に与えよう」と書かれている一つの部族とはユダ族のことです。ベニヤミン族もユダ族に付き従ったのですが、ベニヤミン族は弱小部族であったため、ここでは一部族として数えられていないようです。ユダ族とベニヤミン族がひとつになって、(南)ユダ王国を形成するようになります。
エルサレムに神殿も建設し(列王記第一6:1~38)栄華を極めたソロモン王が死ぬと、彼の息子レハブアムが代わって王となります。
しかし、イスラエル王国では内乱の兆しが芽生えていました。それは、それまで栄華を極めていたダビデ、ソロモンが民衆に課していた負担があまりにも大きく、人々は不満を抱いていたからです。
ソロモンの跡を継いだレハブアムでしたが、王の信任を巡って開かれたユダ族とベニヤミン族を除く北の10部族が集まったシュケム(エルサレムの北約50キロのところにある町)の地で開かれた集会では、かつてソロモンに仕え、叛旗を翻したためにエジプトに亡命していたヤロブアムも出席し(列王記第一12:1~3)民衆を代表してレハブアム王に苦役の軽減を要求しました。
ソロモンを支えてきた長老たちも民の声に耳を傾けるよう助言しましたが、レハブアムは彼とともに育ち彼に仕えていた若者たちの助言に従い次のように北の10部族に告げます。「私の父はおまえたちのくびきを重くしたが、私はおまえたちのくびきをもっと重くしよう。父はおまえたちをむちで懲らしめたが、私はさそりでおまえたちを懲らしめよう。」その結末はイスラエル王国の南北分裂となるのです。
列王記第一12:13~24をご覧ください。
15節では、シロ人の預言者アヒヤがヤロブアムに対して北の10部族の離反を預言したことが書かれていて(列王記第一11:31~39)、「主がそうしむけられた」とは、ソロモン王の背信に対する創造主(神)のさばきなのです。
16節の「全イスラエル」とは北の10部族のことであり、カッコ書きの言葉は40数年前にダビデに反抗したシェバが語ったものです(サムエル記第二20:1)、それだけの年数が経過してもいても、北の10部族の間にはダビデ王朝(家系)に対する不満がうっ積していたのです。なおエッサイはダビデの父ですが、ここのダビデ及びエッサイの子と書かれている言葉は南のユダを指していて、イスラエルは北の10部族を指しています。
レハブアムは北の10部族の怒りがいかに深いものであるか理解しておらず、従来の方法で北の部族を統治しようとして、18節に書かれているように長官アドラムを派遣しますが石で打ち殺され、レハブアムはシュケムからエルサレムに逃げ帰ることになったのです。
逃げ帰ったレハブアムは武力によってイスラエル(北の10部族)を取り戻そうとしますが、22節から24節に書かれているように預言者シェマヤを通して創造主(神)のことばが語られます。
レハブアム王も民も創造主(神)のことばに聞き従い、その結果、当面の悲劇は回避され、ヤロブアムを王とする(北)イエスラエル王国とレハブアムを王とする(南)ユダ王国に分裂することが確定したのです。
この南北分裂は紀元前930年頃のことです。
(出典:創元社「聖書大百科」)
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★私は、聖書に書かれている内容を、誰が読んでも明らかに比喩的な言葉を除き、字義通り理解した上で信じています。したがって、創造主である唯一の神の存在を確信し、イエスをキリスト(救い主)と認める者です。しかし、カトリック教会等のいずれの教会にも属していない無教会者です。あらゆる新興宗教のいずれの信者でもありません★
・天地万物の創造主だけが神
・万物・人間を創造せずして神たる資格なし
・商売繁盛の神、龍神など「〇〇神」と「神」の文字をくっつけても、万物を創造せずして神たる資格なし
・釈迦が万物を創造した方なら、釈迦を神と崇めますが、万物・人間を創造せずして拝む対象に非ず。
〈私の信条〉
盲目的ではなく根拠に基づき理性的に、キリストを信じ尽くし、聖書を信じ尽くします。
★(HN)星周作:(本名)馬場忠博(1956年生):馬場聖書研究室★
<私は聖書の神を信頼する>
私は、命の源である天地万物の創造主である神が愛をもって私たち人間を創造してくださったと確信しています。愛である神が、天災、戦争、病などの苦難の多い人生で人間の一生を死によってすべて終わらせてしまうとは、私には考えられません。聖書に書かれている通り、神、キリスト・イエスを信じる者たちが、死後復活して神の御国において祝福の中で永遠の命を生きていくことを信じています。そのようにしてくださる神を信頼して、聖書の学びを継続します。