東方の博士たちとは何者か(その①)
早速ですが、次の聖書箇所をご覧ください。
マタイの福音書2:1~2(新改訳聖書)
ここに登場する「東方の博士たち」とは何者なのでしょうか。
聖書を学び始めた当初この「東方の博士たち」の正体がよく分からず、マタイの福音書を書いた著者の創作のような印象を持っていましたが、後の学びによって実在した人物であったことが理解できるようになったのです。
実在した人物であることを以下検討していきたいと思います。
新共同訳聖書では「占星術の学者たち」と訳し、リビングバイブルでは「星占いの学者たち」と訳しています。
内村鑑三は次のように書いています。
「『博士』はこんにちわれらの称する博士にあらず、ドクトルにあらず、magos(ギリシア語)と称し、当時の識者なり。天文に通じ、時勢を解し、王を助けて民を導くものなりき。政治家にあらず。さればとて哲学者にもあらず。」
上記のmagosについて聖書大辞典(教文館)では次のように解説しています。
「magosとは、ペルシアのゾロアスター教における祭司階級であるマギ(魔術師)に由来すると考えられるが、ここでは単に東方の知者というほどの意味であると思われる。」
「magos」「マギ」はマジシャンの語源のようです。
そう言えば、マジシャンの中にコメディアン的なマジシャンのマギー司郎がいますね。
結局、このマタイ2章に登場する「博士」とは、天文学者、占星術師であり当時の知者であったようです。
一部解説が重複しますが日本基督教団出版局の新約聖書略解もご覧ください。
「博士(magosマゴス)はもとは中央アジアの民族宗教の祭司の名称であるが、また古代の天文学者(占星家)もマギと呼ばれた。ここの博士はおそらくバビロンあたりの天文学者であったろう。」
この解説からわかるように「東方の博士たち」の「東方」とはバビロンのようです。
バビロンはバビロニア帝国の首都です(下の地図画像)。
なお、「東方の博士たち」は王でもあったという伝承もあるようであるが(新改訳聖書・注解書)、もしそうであるなら著者のマタイは「東方の王たち」とハッキリ書いたのではないでしょうか。
本日はここまでです。
次回は、東方の博士たちの人数が3人だと説明する人たちがいるのですが、本当に3人なのか、そして、博士たちが見た星の正体が何なのか等を検討したいと思います。
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★私は、聖書に書かれている内容を、誰が読んでも明らかに比喩的な言葉を除き、字義通り理解した上で信じています。したがって、創造主である唯一の神の存在を確信し、イエスをキリスト(救い主)と認める者です。しかし、カトリック教会等のいずれの教会にも属していない無教会者です。あらゆる新興宗教のいずれの信者でもありません★
・天地万物の創造主だけが神
・万物・人間を創造せずして神たる資格なし
・商売繁盛の神、龍神など「〇〇神」と「神」の文字をくっつけても、万物を創造せずして神たる資格なし
・釈迦が万物を創造した方なら、釈迦を神と崇めますが、万物・人間を創造せずして拝む対象に非ず。
〈私の信条〉
盲目的ではなく根拠に基づき理性的に、キリストを信じ尽くし、聖書を信じ尽くします。
★(HN)星周作:(本名)馬場忠博(1956年生):馬場聖書研究室★
<私は聖書の神を信頼する>
私は、命の源である天地万物の創造主である神が愛をもって私たち人間を創造してくださったと確信しています。愛である神が、天災、戦争、病などの苦難の多い人生で人間の一生を死によってすべて終わらせてしまうとは、私には考えられません。聖書に書かれている通り、神、キリスト・イエスを信じる者たちが、死後復活して神の御国において祝福の中で永遠の命を生きていくことを信じています。そのようにしてくださる神を信頼して、聖書の学びを継続します。