聖書の矛盾? 聖書は作り話?(その②)
(その①)続き
遺伝子による影響によって奇形が生まれるなどの生物学的な理由から、世界の国々で一定範囲の近親の結婚が禁止されていますが、人類誕生の初めの頃はどうだったのでしょうか。
アダムとエバの間にはカインとアベルが生まれますが、カインは弟アベルを殺害します(創世記4:3)。
その後カインは、聖書には名前が出てこない妻との間に子孫を残します。
創世記4:17をご覧ください。
このカインの妻は、どこから来たのでしょうか?
カインの妹でしょうか?
だとすれば、近親結婚ということになります。
それとも、創造主(神)はアダムとエバ以外の複数の男女を創造していたのでしょうか、そうであれば、カインの妻は妹ではない可能性も出て来ます。
しかし、聖書はアダムとエバという一組の男女から人類がスタートしたと書かれており、他の男女を創造したとは書いていません(創世記1:27~28)。
新約聖書・使徒の働き17:26でも「神は、ひとりの人からすべての国の人々を造り出して、地の全面に住まわせ・・・」と書いています。
聖書を神話作り話だと考えている人たちの中で、人類はアダムとエバとカインの3人だけだったはずなのに、「カインは、その妻を知った」というのは、聖書の矛盾だと主張します。
これは矛盾でも何でもありません。
アダムとエバにはカインとアベルの他にセツという子供がいたことが書かれています(創世記4:25)。
また、創世記5:4では「アダムはセツを生んだ後、八百年生き、息子、娘たちを生んだ。」と書かれていることから、多くの息子や娘たちがいたことを教えています。
因みに、ユダヤ人歴史学者のヨセフスは「伝説によればアダムには33人の息子と23人の娘がいた。」と言っています。
結局、カインの妻はカインの妹(又は姪)であり、近親結婚だったことは間違いないようです。
アダムとエバは完全な人間として創造されたので、二人の遺伝子には欠陥がなかったので、子孫の近親間での結婚でも奇形が生まれる心配はなかったのです。
しかし、パウロが新約聖書・ローマ人への手紙5:19で「ちょうどひとりの違反によってすべての人が罪に定められた」と書いた通り、アダムが禁断の「善悪の知識の木」を食べて創造主(神)に背いて人類に罪が入った後は、徐々に遺伝子にも欠陥が生じるようになったのでしょう。
ただ、アダム誕生から約1700年後のアブラハムの頃は、遺伝子の欠陥の悪影響はまだ現れず、アブラハムは母が異なる妹のサラを妻とする近親結婚ですが問題はなかったようです(創世記20:12参照)。
アブラハムから数百年後のモーセの時代になると創造主(神)から与えられた律法により近親結婚が禁止されますが、旧約聖書・レビ記18:6~23、20:11~21に書かれています。
レビ記20:17だけご覧ください。
近親結婚の禁止や十戒などの律法は、創造主(神)よりモーセを通して与えられました。
旧約聖書39巻のうちの「創世記」「出エジプト記」「レビ記」「民数記」「申命記」の5巻を指して「律法書」あるいは「モーセ五書」とも呼ばれて、モーセが書いたとされています。
近親結婚が禁止と書いたモーセもイスラエル民族に、この律法を守るように戒めました。
もしモーセが書いた五書が作り話であれば、作り話だからこそ、五書を矛盾しないように書くのではないでしょうか。
作り話の近親結婚の禁止の律法を徹底させるには、この律法に抵触しないためには、創世記の中でアダムとエバの他に複数の男女を創造させて、カインの妻となる女がカインの妹ではないストーリーを創作したはずです。
モーセ五書が作り話ではないからこそ、モーセは近親結婚が禁止される律法を創造主(神)から与えられる前の時代の創世記に近親結婚が問題なく行われた事実をそのまま書いただけなのです。
前回も書きましたが、一見矛盾と読めたり神話作り話と読める聖書箇所こそに真実が潜んでいるのではないでしょうか。
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★私は、聖書に書かれている内容を、誰が読んでも明らかに比喩的な言葉を除き、字義通り理解した上で信じています。したがって、創造主である唯一の神の存在を確信し、イエスをキリスト(救い主)と認める者です。しかし、カトリック教会等のいずれの教会にも属していない無教会者です。あらゆる新興宗教のいずれの信者でもありません★
・天地万物の創造主だけが神
・万物・人間を創造せずして神たる資格なし
・商売繁盛の神、龍神など「〇〇神」と「神」の文字をくっつけても、万物を創造せずして神たる資格なし
・釈迦が万物を創造した方なら、釈迦を神と崇めますが、万物・人間を創造せずして拝む対象に非ず。
・親鸞、日蓮など、人格が高潔であり尊敬できる方であっても、万物・人間を創造せずして拝む対象に非ず。
〈私の信条〉
盲目的ではなく根拠に基づき理性的に、キリストを信じ尽くし、聖書を信じ尽くします。
★星周作(HN)本名:馬場忠博:馬場聖書研究室★
<私は聖書の神を信頼する>
私は、命の源である天地万物の創造主である神が愛をもって私たち人間を創造してくださったと確信しています。愛である神が、天災、戦争、病などの苦難の多い人生で人間の一生を死によってすべて終わらせてしまうとは、私には考えられません。聖書に書かれている通り、神、キリスト・イエスを信じる者たちが、死後復活して神の御国において祝福の中で永遠の命を生きていくことを信じています。そのようにしてくださる神を信頼して、聖書の学びを継続します。
〈イエスを信じる者は永遠の命をもつ〉(ヨハネによる福音書3:16)ことを私は確信します。